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『抗インフルエンザ薬について』

2014年に使用できる薬は、商品名で、皆様ご存じの①タミフル(一日2回内服5日間)、そして、吸入薬の、②リレンザ(一日2回吸入、5日間)、③イナビル(一日10歳未満は2回、それ以上は4回吸入1日のみ)、点滴の④ラピアクタ(原則一回のみ)があります。
効果は、どれもほぼ同様ですがそれぞれの特徴があります。自分の印象で恐縮ですが、タミフルを初めてインフルエンザの患者さんに使ってもらった時、「こんなに効く薬があったのか!医学の進歩はすごい。」と感心とともに驚きました。
今までかかっていた約半分の時間で解熱するようになったのですから。患者さんのおやごさんからも、「この子はほんとにインフルエンザだったんですか?」と聞かれたことが昨日のことのようです。

タミフルのない時代は、インフルエンザにかかったら、子供は、約1週間は高熱や、咳、鼻水、鼻づまり、関節痛、等に苦しんで、熱が下がっても、それからまた1週間元気がなく、咳や鼻の症状がつづいていました。そうです、完治までには2週間はかかっていたように思います。中には熱が下がらず肺炎で入院。熱は下がったのに中耳炎などの合併症が10-30%ぐらい起こっていたように思います。ただ、タミフルなどによる異常行動が問題になってきました。これは10代の方がタミフルを内服し、夜などに急に飛び起きて、部屋から飛び出してしまうそしたらそこは2階で大けがをした、3-6才の子供が急に笑い出したり、泣き出したりする、というものです。

ただ、タミフルを内服してない子供にも、このような症状が起こり、「熱せんもう」(熱にうなされている状態)か、とも考えられていますがはっきりした因果関係は厚労省にもわからず、10代へのタミフルの内服は、原則禁止されております。

10代には内服より脳に影響が少ないと考えられる吸入薬を使用します。
起こるのは内服や、吸入して48時間以内の高熱のときが多いと報告されています。
高熱や薬を始めた48時間以内は注意深い観察が必要です。

どうも悪夢を見ているようで、天井が落ちてくる、何かに追いかけられ、飛び出したら2階だった。ということが報告されており、本人の記憶はあいまいのようです。
20代になるとこのような行動は見られなくなります。

そこで、1歳から10歳未満は①タミフルを、(一歳未満は使用経験が少なくまだ、効果や副作用がよくわかっておらず、使用禁止となっています)10代は内服より吸入のほうが脳に影響が少ないと考えて、②リレンザの吸入。③イナビルの吸入は、一度に4回吸入するだけで5日間の効果があり便利ですが、異常行動が出現した時、やめるわけにはいかず、私は20歳以上の方に薬局で吸入して帰宅してもらっています。④ラピアクタは点滴薬で、1回の投与ですみますが、吸入ができない御高齢の方などが対象となります。

これらの薬の共通点は、A,B型ともに、1-3日で解熱しますが、(Bのほうが効果が少し劣るようです)完全にウイルスをやっつけたわけではなく、ウイルスは5日間でやっと体内から消えていきます。
熱が下がっても発病から5日間学校を休むのも、このためです。
また、ウイルスがやっつけられても、薬の力を借りたとはいえ、患者さんの免疫力も総動員して戦い、免疫力は落ちていますので、無理は禁物です。

インフルエンザが治った後に風邪をひいたら長引く、こじれやすいといわれますが、一理あると思います。

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