「日本東洋医学会」に行ってきました。その2
前回のブログでは日本東洋医学会の写真がなかなかアップできずに申し訳ありませんでした。もう1カ月近く経ってしまいましたが、この学会で感じたことや思ったことを書いてみます。
まず、とてもびっくりしたのは、私の勉強不足が原因でしょうが、5年ぐらい前の学会では「傷寒論」などの漢文で書かれた古典を、用いた発表が多くありました。あまり数式などは見た記憶がありませんでした。
ただ、今回の学会では統計的な手法を使って、薬の効果を調べた発表が多く、数式がたくさん出てきました。そして、その後には「傷寒論」などの漢文が多く見られ、「数学と漢文」 何か相反するようなものが発表され、とても興味深く思いました。
また、この問題はあまり切実に思っていなかったのですが、 漢方薬の主成分である薬草がなかなか手に入らなくなっているとのことでした。
多くの薬草は中国から輸入されるものがほとんどでしたが、中国での資源不足も始まっているようで、薬草の輸入原価が高騰しているということです。
そこで日本では、熊本県の あさぎり町 で、小柴胡湯などに多く入っていることで有名な 三島柴胡を、53ヘクタールの農地を使って、中国よりも良質なものを栽培しているそうです。
また、日本医師会も原料不足の危機を感じており、鹿児島県などで葉タバコ栽培している畑を漢方薬の主成分である薬草栽培をしようと働きかけているということを知りました。
漢方薬は苦くて飲めないと言うことがよく言われていましたが、必要としている人が多くなり、原料も不足の傾向でもあり、飲めない人には西洋薬などの他の手段をとれば良いと言う考え方が浸透してきている感じがしました。
漢方薬は完璧に市民権を得ているように感じました。これほど大がかりに漢方が浸透してきていることは、やはり漢方薬を必要としている増えてきていると、強く感じました。
認知症の不眠、俳諧などの周辺症状や、不登校などの子供に漢方薬を処方する先生も多く発表されておられました。子供がよく飲んでくれるものだと思いましたが、飲んでもらうように積極的に進めている姿勢がとても印象的でした。また飲み続けてくれると言う事は何らかの効果が得られているのだとも感じました。
私は、漢方薬は苦くて飲めないと言われればそれは仕方ないことかなぁと、考えていましたが、少し考えを変えなければいけないと強く感じた学会でした。
これから、もっともっと研鑽を積んで漢方の良さを知ってもらい少しでも多くの人に貴重な資源を使って作られている漢方薬を飲んでもらえればと考えを新たにしてくれた学会でした。



