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検診について

大きな病気にならないために

「病院が好き!病院に行きたい!」という患者さんはいらっしゃらないと思います。
体調が悪いから、薬をもらわないといけないから、仕方なく病院に行くのではないでしょうか?

そう言った、できれば行きたくない病院に行く回数を減らす方法があります。
それは、定期的に検診を受け、病気を予防する、初期のうちに治してしまう、ということです。

例えば、大人の方では、会社の検診などで異常を指摘されて来院される患者さんも多くおられます。

大人の生活習慣病、例えば高血圧や高脂血症などの場合、食事療法や運動療法などを取り入れて生活習慣を改善すればよいのですが、この忙しい現代では、なかなか実行することは難しく、どうしても薬の力を借りることになります。

確かに薬を飲むと、血圧やコレステロールの値が正常化して安定化していきます。

今の薬は本当に素晴らしく優秀で、一旦正常な値に持っていければ、その薬の内服を続けていくことで、多くの方が検診での異常値は正常値へと変わっていきます。

そうなると皆さん大変お忙しいので、薬だけを希望されるようになります。

患者さんのお忙しいことなど、いろんな理由があることはよくわかっているつもりです。
しかし本来ならば、しっかりと診察をさせていただき、軽微な異常でも発見するように医師は努力するべきなのです。

去年の夏にとても考えさせられることがありました。

その日、来院されましたのは90歳の女性でした。

その方はJA広島総合病院に高血圧と高脂血症で通院されていた方で、肺炎ということで当院に紹介されて来院してくださいました。

JA広島総合病院では、年に2回レントゲンと心電図を定期的に取るようにしているそうです。

その方は、熱や咳など肺炎の症状は全くなかったのですが、レントゲンではハッキリした肺炎の影があり、検査データも白血球や炎症反応が上昇しておりました。

そこで5日間ほど点滴をしたところ、検査データも正常化し肺炎の影も薄くなってきました。

後期高齢者の方になると、熱があまりなくても肺炎などを起こすことはよくあります。
だから表面的に症状が出ていないからと言って油断はできないのです。

もしこの患者さんが定期検診を受けていなかったら、もっと症状は悪化してしまったかもしれません。薬を出すだけではなく、きちんと診察をしていたから早期発見、早期治療ができたのです。

これは高齢者の方だけの話ではありません。生活習慣病でも同じようなことは起きうるわけです。
生活習慣病の方に多く合併する、心肥大(高血圧性心疾患)、肺がん、などが早期に発見できるチャンスです。また、薬を飲んでいると、まれですが、薬の代謝される肝臓や腎臓に障害をきたすことがあります。

だから当院でも、問診だけで薬を処方している患者さんに対して、せめて半年に1回でも良いのでレントゲンや心電図、採血と言った検診をさせていただけなければならないと、強く思うようになりました。

負担の少ない医療機器による検査

レントゲンと聞くと、「放射線による被爆が心配」と思われる方も多いと思います。
また撮影から現像までに時間がかかるため、お待たせしてしまうこともありました。

そこで本年より、新しいデジタルX線画像診断システムを導入致しました。

この新しいシステムは、従来のレントゲンよりも被ばく線量がかなり減少している上に、
デジカメと同じように、撮影結果が画像データとしてパソコンに送られるので、
フィルムに出力する時間が省略されるようになり、検査結果を待つ時間が短縮されました。

画像もフィルムより鮮明になったため、異常のある部分がわかりやすくなり、病気の早期発見にも役立つようになります。

従来のレントゲン

従来のレントゲンフイルムでは、虫メガネで病変を見たり、蛍光灯にかざして光の強さを変えたり、斜めにしたりして異常な陰影がないかを探していました

新しいデジタルX線画像診断システム

このような最新の機器を使って検診をし、患者さんの健康を守るため、これまで以上に努力していきます。