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水痘、おたふくかぜのワクチンは2回する必要があるのでしょうか?

最近よく質問を受けます。今年の秋から、水痘のワクチンが定期接種(おおざっぱに言えば、国の補助があり、無料のものです)に組み込まれる予定をご存じの方が多く、2回施行する予定だからかな??と考えています。個人的な意見で恐縮ですが、日本は世界から批判されるように、ワクチン後進国であることは否めません。

と、申しますのも、他国からの批判や、海外から帰国された2才以下の方の接種歴を拝見して、水痘はもちろん、おたふくかぜ、ロタウイルスなどの接種を2回は受けられておられることを知り、正直、「うらやましいなー」と思わざるをえられません。

さて、日本の現行のワクチンスケジュールで、MR(麻疹、風疹)は1-2才と小学校に入学前の2回となっていますよね。なぜ2回するのでしょうか?全く個人的な考えで恐縮ですが、ワクチンは「毒を持って毒を制す」というように考えています。麻疹や風疹は現在、私が医者になりたての30年前に比べると、驚くほど減っています。

この3年間は両方の疾患とも診療した記憶がありません。「ブースター効果」といって、予防接種で軽くかかった麻疹や風疹の抗体が年齢とともに減少してきたところへ、麻疹や風疹の患者さんに接触すると、また、抗体が上昇してきます。人間の免疫機能は素晴らしく、このような仕組みで(ほかにもたくさんの免疫機能はあります)両疾患とも、1回の予防接種で効果があったものと思います。

しかし、両疾患が減少して、この「ブースター効果」が少なくなったため数年前に麻疹、昨年は風疹の流行が、中高生を中心に起こりました。

予防接種を1歳のころに受けてできた抗体が減少したのに、両疾患が減少したために「ブースター効果」が減少して、1回だけの予防接種ではウイルスに打ち勝つだけの抗体量が保てなかったからと考えられます。

そこで予防接種は2回しておいたほうがよいと判断され、数年前よりやっと、現行の2回接種となりました。

このように、水痘もおたふくかぜも同じように2回接種をしておいたほうが、「ブースター効果」が期待できなくなりつつある現在、ベストだということです。

予防接種で病気が減り「ブースター効果」が期待できなくなるのはジレンマですが、本当に病気になるよりか、予防接種を2回受けておいて病気にかからないようにほうが得策だと思います。

国家がもっと予防接種に積極的に取り組んで、多くの予防接種を定期化にして、若いご両親が多い世代の家計を少しでも助け、子供さんの健康を守れたらと願っています。

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