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C型肝炎の新内服薬治療について

C型肝炎の新内服薬による治療がはじまりました。
C型肝炎とは、感染者の血液や体液を介して、ウイルスの感染により発症する肝臓の病気です。厚生労働省の統計によれば、C型肝炎の感染者は、90万人から130万人と推計されています。

C型肝炎は、遺伝子の型により、Ⅰ型とⅡ型に分けられます。そして内訳は、Ⅰ型が7割から8割で、Ⅱ型が2割から3割と言われています。

比率の多いⅠ型の方は、インターフェロン、サイトカインという物質を使った治療を行っていましたが、残念ながら40%くらいの効果しかありませんでした。インターフェロンによる治療は、週に1回の注射を6カ月間することで、ウイルスを退治する方法です。

しかし、他の細胞にも障害をあたえてしまい、発熱・脱毛・倦怠感などの副作用により、インターフェロンによる治療を途中で断念せざるを得ない患者さんもいました。
年齢的にも65歳から70歳くらいまでの患者さんにしか使われず、70歳以上の患者さんには副作用が強すぎて使えませんでした。

ところが、2014年の9月3日から新しいタイプのC型肝炎の治療剤が発売され、内服薬でC型肝炎の治療が実行されるようになりました。
この新薬はⅠ型にしか使用できませんが、ダクルインザとアスナプレビルという2種類の薬を24週間内服すれば、約9割のウイルスが消えていきます。

これらの薬は、直接作用型抗ウイルス剤といって、C型肝炎ウイルスの増殖に必要なタンパク質を阻害することで、ウイルスを破壊します。そして、副作用がとても少なく75歳以上の患者さんにも使用できる薬で、驚くべき発見でした。

ところで、2015年5月18日に今度はⅡ型に対する新しい内服薬が発売されました。
この薬は、ソフォスブビルという名前で、12週間内服することで約9割の人の肝炎ウイルスが除去されたものです。

新聞でも話題になったのでご存じの方がいるかも知れませんが、副作用が少なくて服用する期間も短い良い薬なのですが、1錠が約6万円します。

そうすると、12週間では約550万円の治療費が必要ということになります。

ただし、世帯所得による差はありますが、原則月額1万円から2万円支払えば、残りの治療費は国と自治体が負担することになっています。

巨額な治療費が必要となりますが、C型肝炎は排除していかないと、ほとんどの人が肝ガンになります。

肝ガンに対する治療費のことも考えたのでしょうが、新薬の費用負担を認めた厚生労働省の判断に、拍手を送りたいと思います。

ただ残念なのは、C型肝炎が進行すると肝硬変になり、肝硬変がひどくなると肝ガンになるという経路をたどります。でも、この新薬が使えるのは、軽い肝硬変の患者さんまでなのです。

これらの新薬が他の患者さんにも使えるようになれば、「C型肝炎の治療はもっと進むのに。」と私は考えています。

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