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暑い夏は下痢に気をつけましょう。

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暑い夏になり、冷たい物も美味しい時期になりました。
昔から、「冷たい物を食べ過ぎると下痢になる。」とよく言われています。また、夏風邪と一緒に、夏の下痢は治りにくいとよく言われますが、まさにその通りだと思います。

確かに、胃や腸を冷やしてしまうと血液の循環が悪くなり、胃腸の抵抗力は落ちてしまいます。これは、胃腸の好きなウィルスや細菌にとって、絶好のチャンスです。何せ、彼等は一年中その機会を窺っているわけなのですから。

下痢というと、いったい何をもって定義すればいいか難しいところですが、一日一回の便が2回3回と便の回数が増えてきて、固形の便が泥状になってくるようになれば、下痢だと思って間違いないと思います。もともと泥状の便が出る赤ちゃんの場合は、排便の回数が増えてくれば、これは下痢と言っていいと思います。

大人なら3~4日で治る下痢も、まだ腸の成長段階にある子どもに取っては、胃腸炎はかなり長引く病気の一つです。長引く下痢に驚かれる両親も多いですが、3才以下のお子さんの下痢は1~2週間は続くと思っていただいてよいと思います。

私が患者さんを治療して印象として持っているのは、3才以下のお子さんはいったん下痢になってしまうと、二週間近く続くことも珍しくないということです。

おむつかぶれなども併発しますが、水分や食事が取れていれば、まずは心配ないと思います。
だいたい下痢が始まる半日前頃に、急に食欲が落ちて、嘔吐が2~3回あることがよく見受けられます。この嘔吐が、血便とともに、2日も3日も続くようであれば、夏によくはやる胃腸炎とは違うものを考えなければいけません。

下痢で元気がなくなった子どもさんを励まそうと、ほしがるものを好きなだけ我が子に与える親御さんもいらっしゃいます。それはそれで一理あるかもしれません。アメリカでは、食べれるようになれば、好きなものを食べてもいいという説があります。この論文を西暦2000年頃に読んだ私は度肝を抜かれました。

ですが、日本人とアメリカ人の腸の構造は、相当違っていると思います。

日本人の実際の胃腸は、原則的には疲れていてウィルスや細菌の攻撃を受けている状態にあるところに、栄養のあるものをたくさんあげれば、結局は消化されずにそれも便と一緒に出て行ってしまう、といった状況になっています。

元気なときに、腹8分目のご飯を食べようとよく言います。これは理にかなったことで、胃腸を健康な状態に保つには、とてもよいことだと思います。もし下痢であれば、少々お腹がすくぐらい、腹7分目か6分目ぐらいの、おかゆなどにしておくといいと思います。

ですので、昔から言われるように、どろどろの便が出れば、どろどろのおかゆを食べておく、少し形のある便が出れば、やわらかいご飯を食べておく。

そのようにすれば、下痢は少し長くても二週間で、だいたい一週間もすれば治ります。

これは、みなさまもよくご存じだと思いますが、O-157の事件が大阪の堺市で起きました。その際に、強い下痢止めを使った患者さんのグループと、整腸剤(ビオフェルミンなどの乳酸菌を増やす薬)などの軽い下痢止めを使ったグループの治り方を比較したデータが残ったのです。

あたかも人体実験のようになってしまいましたが、結果としては、出るものは出した方がよい、結局、弱い下痢止めを使った方のグループは、早く良くなったという結果があります。
ですので、長引く下痢にため息の出るお母さんもいると思いますが、出る物は自然に出しておいた方が胃腸のためには良いと考えておいてもらったらよい、と私も思っています。

ただし、下痢で体の水分が不足し、脱水症状を起こすこともあります。失われた水分を補給するために、 スポーツドリンクで水分補給をしっかりと行いましょう。塩分や糖分を含んでいるスポーツドリンクは、水より体内の水分が吸収されやすいのでおすすめです。もちろん、あまり冷えすぎていない物を選んでください。

これから、また新しい研究発表もあるかもしれませんが、現代ではやはり下痢の時には無理に食べないようにするのがいいと思います。

お子さんが下痢になってしまったら、味気ないですがおかゆで腹六分目でがまんしておいてもらい、体重減少もあると思いますが、早く良くなってもらうのが一番です。そうすればまた、美味しい物を食べることができるようになります。それに、そうして貰えればすぐに体重は戻ります。ご心配はご無用です。

まとめると・・・

  1. 体が冷えると血行が悪くなり胃腸の抵抗力は落ちてしまうので、体が冷えないように空調や衣類で体温調節を行ったり、冷たいものを食べ過ぎないようにしましょう。
  2. 下痢の時は無理に食べず、7分目か6分目ぐらいの、おかゆなどにしておきましょう。
  3. 下痢は水分を奪われます。脱水症状にならないように、水分はしっかり取ってください。

正しい食事や生活習慣を心がけ、素敵な夏休みを過ごしてくださいね。

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