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ノロウイルスの予防法や、嘔吐物の処理について

10月末から嘔吐、下痢の患者さんが増えてきました。

そろそろ肌寒くなってきたなぁと思う頃、ちょうど今の時期ぐらいから、これから肌寒くなる11月に向けて、ノロウイルスなどの胃腸を主に攻撃するウイルスが増えてくると思います。

現在、便で迅速診断できるのはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスぐらいです。

他にもエンテロウイルスなど、多くのウイルスが嘔吐、嘔気、下痢、発熱を引き起こします。

先日、あるお母さんから
「ノロウイルス感染で起こる ウイルス性の胃腸炎 と 嘔吐下痢症 とは、どう違うのですか?」と、聞かれたことがありました。

ウイルス性の胃腸炎とは、その名の通りウイルスが原因によって引き起こされる胃腸炎の総称を言います。ウイルス性胃腸炎とノロウイルス感染は区別するものではなく、ウイルス性胃腸炎の中の1つにノロウイルス感染があると思っていただければよいと思います。

さて、嘔吐下痢症に関して、小学校低学年までの方は、気持ちが悪ければ急に嘔吐してすることは多いと思います。

嘔吐されるのを見るのは、お父さん、お母さんにとってはつらいことだと思いますが、現在の主流の考え方によれば、侵入してきたウイルスは排出するのが良いという考え方となっています。

いわば、吐きたそうでしたら嘔吐してもらえば良いという考えです。

しかし小学生の高学年になると、嘔気があっても、なかなか嘔吐できないことがあると思います。これは、胃腸の噴門が丈夫になってきて、大人と同じようになかなか嘔吐しにくい状況になってくるからです。

若い20代の男性の方が、口に指を突っ込んで戻され、楽になったといわれる方もいらっしゃいますが、なかなか難しいと思います。

どうしても気持ちの悪い時には、ナウゼリンという飲み薬や、座薬がありますので、

それを使用してもらえば、少しは嘔吐の回数が減り、救急病院に行かなくても済むかと思います。嘔吐は約12時間でおさまり、それからは下痢が始まります。

大人なら2-3日で軽快しますが、私の印象では、3歳未満の乳幼児はまだ、腸は成長段階にあるためか1-2週間下痢が続くことも珍しくはありません。

もし嘔吐があった場合には、2,3時間はお腹が空くかもしれませんが、絶食にしておいてもらい、その間のどが渇くと思いますので、以前ブログでも紹介した「OS-1」などを本当に少量ずつ、おちょこ一杯ずつぐらいを飲んでいただき、喉の乾きを潤してもらえば、夜間の救急病院に行かなくてもすむと思います。

さて、ノロウイルスは、細かく分けると4つのタイプに分けられます。人に害を当てるのは2つのタイプで、遺伝子グループのタイプⅠとタイプⅡに分けられます。

そのタイプ1の中でも14の遺伝子とグループがあることがわかっていましたが、この夏に、17番目のタイプのウイルスが発見されました。

ちなみにノロウイルスは一度かかれば2度と掛からないような、麻疹・風疹と違い、何度もかかってしまいます。それは、ノロウイルス感染によって得られた免疫は弱いため、約半年間の再感染予防にとどまり、完全に再感染予防は難しいようです。

しかも、この新しく発見されたタイプは、当然、誰も抗体をもってないかと思いますので、ひょっとすると今年はノロウイルスが流行するかもしれません。では、どのように感染を予防すればいいのでしょうか。

去年も一度お話をさせていただきましたが、1番は「手洗い、うがい」です。また、ノロウイルスは便口感染します。特に、子供の嘔吐物や糞便を直接処理したお父さんやお母さんに感染することが多いと思います。

ノロウイルスは熱には弱いウイルスなので、もし絨毯やカーペットなどに戻された場合は、そこによくアイロンをかけておいてもらったらいいと思います。

厚労省のお話では、中心温度85℃以上で1分以上加温していれば、感染は防げると発表しております。

また、嘔吐物などの処理は、十分洗浄した後に、同じように熱で消毒するか、または次亜塩素酸ナトリウムで消毒してもらうことが、推奨されております。

次亜塩素酸塩酸ナトリウムに関して、1例としては台所用漂白剤(キッチンハイターなど)や、市販の塩素系漂白剤、次亜塩素酸入りの消毒剤など、どれでもいいので、キャップ一杯(20ml)に薬剤を入れ、5リットルの水に混ぜた後、よく拭いてもらえればいいかと思います。

直接手に触れると手がかぶれてしまいますので、必ず手袋をされ、水と混ぜるようにしてください。

また嘔吐物は、そこにティッシュペーパーなどを十分重ねておいて、漂白剤を直接かけて15分から30分起いていただき、それからビニール袋に入れて、密封して廃棄します。吐物からの湯気でも感染するといわれています。

同じように直接手に触れると手がかぶれてしまいますので、できればこの方法がよいかと思います。また、残念ながらアルコール消毒は効きませんので、ご注意ください。

もともとノロウイルスは、1968年にアメリカのオハイヨ州のノーウォーク市の小学校で急性胃腸炎患者が集団発生し、そこでウイルス検出されたことから元々はノーウォークウイルスと呼ばれていました。

しかし、いろいろそれ以後に研究が進み、このウイルスに類似したウイルスは沢山いることがわかり、それをひとまとめにして、2002年の国際ウイルス学会で、ノロウイルスと命名されました。

まとめになりますが、寒くなってくるにしたがって、これらのウイルスは勢力を増してきます。インフルエンザウイルスをやっつけるタミフルのような特効薬はないので、手洗いが第一です。そして、うがいもして、感染には十分気をつけて下さい。

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