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おたふくかぜはもらった方がいいのでしょうか?

otahuku

昔、予防接種がない時代は、伝染性の病気にお子さんの家に行って、その病気をもらってくるというようなことがありました。はしかなどを、わざとうつさせてもらってくるのです。

例えば、おたふく風邪は実際にかかったほうが、抗体のつく量はとても高くなります。ワクチンをした場合よりも高くなるのです。

まさに一度かかれば二度とかからない、二度なし病だと言われる所以だと思います。

だけど、今のようなワクチンがある時代は、ぜひワクチンを打って欲しいと思います。

そのように私が考えるのはなぜかといいますと、おたふく風邪で難聴になったり、無菌性髄膜炎で入院したり、いろいろな合併症があるからなのです。
合併症の絶対数はかなり少ないのですが・・・・・・・。

今の学校保健法では、耳下腺の腫脹後、最低5日間の登校停止が義務づけられています。腫脹した日が発症0日で、翌日から1日目と考えます。5日しても痛みがあったり、発熱があったりして、全身状態が良くなければ登校できません。お子さんが感染して、その登校停止期間にあるご家族のお父さんやお母さんは、看病のために仕事を休む必要もあるかもしれません。

ただ、残念なことに、おたふく風邪はワクチンを接種していても感染を100%防ぎ切れるわけではありません。せっかく予防接種を受けてもその内だいたい2~3割の方が、感染してしまいます。

では、ワクチン接種を受けることはムダなのでしょうか?

そんなことはないと思います。ワクチンを接種しておけば症状はとても軽くなり、お子さんが苦しむ姿を見ることも少ないと思うからです。ご家族の方への2次感染も減少することでしょう。

私は開業して約20年になるのですが、おたふく風邪にかかったお子さんから、お父さんやお母さんへの2次感染の例を10人ぐらい見ています。

・睾丸がテニスボール大に腫れ(本当です)、歩けなくなって入院されたお父さん。
・口が開けられなくなって食べ物が摂取できず、2週間ほど入院されたお母さん。
・睾丸炎と一緒に、膵(すい)炎を併発。非常に重篤な状況になり、3週間ほど入院されたお父さん。
・片耳が難聴になったお父さん。

このような例を見ていると、ワクチンをしていれば、これほどひどくなる事を防げるのになあと、強く思っています。

話は変わりますが、私がある学会で聞いた話です。正確ではない部分もあることをお許しいただければ幸いです。

イギリスで何らかのワクチンを打って、お子さんに、重篤な副反応が出たご両親の話です。

御両親は、大変悲しい思いをされたと思います。しかしそれでも彼等は、ワクチンを積極的に打とうという、団体のリーダーになられていた、ということです。

これはお国柄によるところもあるかもしれません。ですが、自分の子どもが健康被害を受けても、やはり重篤な病気を防げる有効な手段は、ワクチンしかないということを十分理解されているから、このような行動に踏み切られたのだと思います。

ワクチンを打つと言うことは、体の中にわざと異物を入れることに等しいです。副反応がでないように、研究開発されていますが、ヒトの体質は様々で、どうしても反応が起こります。政府も万が一の健康被害に対して多大な補償を約束しています。

例えば子宮頸がんのワクチンを打った後に、後から痛みが非常に強くなる方がおられ、因果関係ははっきりしませんが、そのために歩けなくなったりとか、鉛筆がもてなくなったりする症状を発症する方がいらっしゃることも事実です。

そのような事例もあるせいか、今現在、子宮頸がんのワクチンは、積極的な摂取は控えられている状況です。

しかしながら、子宮頸がんのワクチンをはじめ、医学的に認められているおたふく風邪のワクチンなどは、今のところこれが唯一と言ってもいいほど、現実的な感染を防ぐ有効な手段であることも事実なのです。

アメリカなどでは、国土が広いこともあり、医療機関を受診するにも30キロほどの道のりを行かねばならず、6~8種類のワクチンを一度に同時接種し、発熱ぐらいの副反応は当然とばかりに、解熱剤も処方されるそうです。

早く日本にも、イギリスやアメリカのように、「感染予防の有効な手段はワクチンしかない。だから積極的に打つ」という風潮が出てくればいいのになあと考えている、今日この頃です。

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